近年はゲリラ豪雨や大型台風、高潮などの大規模水災害が頻発しています。
ニュースでも目にした方も多いと思いますが、川が氾濫したり、排水しきれなくなった水がマンホールから吹き出したり、街一面が水に浸かってボートで救出される光景も珍しくなくなってきてしまいました。
その様な背景から国土交通省では、不動産取引時において水害リスクにかかる情報が意思決定に重要な要素となると見解の下、不動産取引時において水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を事前に説明することが義務付けられました。
(2020年7月17日交付/2020年8月28日施行)
家を探すときには、その自治体のハザードマップにおいて、浸水想定エリアへの該当の有無、該当している場合は浸水深さを確認しましょう。
また浸水想定エリアに該当する家に住む時には、災害時の備えや避難場所の確認を合わせて行ってください。
さらに浸水想定エリアに該当していなくても水害リスクが全くないという訳ではありません。備えあれば患いなしという言葉の様に、何か起きても慌てなくて済むように平時に準備をしましょう。
下水道処理能力は1時間に50ミリまで
東京都下水道局では、1時間に50ミリの降雨に対応できるように、下水道施設が整備されています。したがって、それを超える降雨量が発生した場合には水を処理しきれずに街が浸水することとなります。
気象庁資料における全国における1時間の降雨量50mm以上の年間回数は以下の通りです。
ハザードマップの整備状況
水災害被害の増加に伴い、国土交通省では2016年に「水害ハザードマップ作成の手引き」を改定し、改善を目指しています。
令和1年10月時点において、洪水ハザードマップを公表している自治体は98%に上ります。しかし想定最大降雨に対応した洪水ハザードマップにおいては41%とまだ半数以下というのが現状です。
自分が住んでいる自治体が公表しているハザードマップはどちらに該当しているかというのもポイントになります。
なお板橋区の洪水ハザードマップ(荒川はん濫版)は、想定最大降雨として荒川流域で3日間の総雨量632ミリメートルに基づき作成されています。