一戸建てやマンションなど、自分の住まいとして不動産を購入するときに利用できる「住宅ローン」。
住宅ローン選びでは、やはり「金利」が重要な要素になります。
変動金利と固定金利。
実際にローンを組んだ方々はどちらを選んでいるのでしょうか。
※2020年1月9日木曜日 日本経済新聞朝刊より
2019年4~11月において3メガバンク(三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行)にて新たに住宅ローンを借入した人を対象にした集計です。
3行の平均値は、
変動金利 約65%
固定金利 約35%
変動金利を選んでいる方が多いという結果です。
三菱UFJ銀行においては2016年は9割が固定金利を選択しており、この数年は変動金利を選ぶ人が多くなっているという状況です。
2020年1月の住宅ローン金利はこちら
■過去の金利は?
過去の金利推移を遡ると、平成3年前のバブル崩壊前は変動金利においては約8%。
今からは考えられない程高い金利でした。
バブルがはじけた後の変動金利は2~3%の間を推移。
過去の平均から見ると4%前後まで上がってもおかしくはないと言われ続けてもう約30年が経とうとしています。
■金利は上がらないのでは?
ここまでくると、金利は上がらないのではないかという考えの人も多くなってきます。
都市銀行の変動金利は軒並み2.475%。そこから審査に応じて個別に金利優遇を設定し、三菱UFJ銀行では最大金利優遇▲1.95%。
すると実際に適用される金利は0.525%まで下がります。
近年はそこにネット銀行が台頭してきました。
住信SBIネット銀行、じぶん銀行、楽天銀行、ソニー銀行など耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか?
ネット系銀行の変動金利は0.4%台。
今月2020年1月においては住信SBIネット銀行から0.415%という変動金利のキャンペーン金利が発表されました。
■固定金利を選ぶ人は35%いる
金利が低いのは変動金利ですが、やはり先々の不安もあるので固定金利を選ぶ人もいます。
マイナス金利が導入されてから、各銀行では10年固定(最初の10年間の金利をまず固定。11年以降は金利を再選択)の金利を下げました。
都市銀行おいては今月は0.69~1.10%。
変動金利と比べると少し上がりますが、それでも1%を下回る水準になっています。
■フラット35でずーっと固定
住宅金融支援機構によるフラット35。
これは最長35年間の住宅ローンを最初から最後まで金利を固定するものです。
金利が変わらないので、これが一番安心ですね。
今月の金利は1.27%。
金利優遇が適用になると最初の5年間は▲0.5%となり、1.02%が適用されます。
これなら10年固定よりフラット35の方が魅力的に感じる方も多いと思います。
金利選択は正解がありません。
将来金利が上がれば固定金利を選んでおいてよかった。
将来金利が上がらなかったら低い変動金利にしておいてよかったということになります。
●変動金利を選んで、繰り上げ返済を頑張れば金利上昇リスクを減らせます。
●毎月確実に返済できる金額からフラット35で資金計画を立て、計算内の予算で物件を探す
●10年固定で様子をみて、金利変動を鑑みながらその都度金利選択をする
なお筆者は一昨年、自宅マンションを購入して住宅ローンを組みました。
都市銀行による変動金利。
今後は金利情勢を見ながら金利選択もしくは繰り上げ返済をしていくこととなります。
金利の選択にあたっては、購入総額、自己資金と借入の比率、そして繰り上げ返済等の計画などを踏まえて検討が必要です。